星野源『いのちの車窓から』の中で
文章について触れている。
今は、こんなに読みやすくて面白いことを書いている星野源さんですが、実はものすごく文章が下手だった。
どれぐらい下手だったかを自分で表現するところがあります。
「体内に卵を蓄えたチャバネゴキブリを生で飲み込んでしまったのではないかと錯覚するほど」だそうです。
(食事中の人がいたらごめんなさい)
なんて見事な例えなんだと、唸ってしまった。気持ち悪さで寒気がしたほど(笑)。
そこで彼は考えた。
文章が上手くなりたいと。
その対策の発想がすごい。
なんと、「文章を仕事にしてしまえばいい」と考えた。
周りの知り合いのひとに、文章の仕事をくれくれと頼みまくったそうだ。
その結果、雑誌の欄外一言コラムをやらせてもらえることになる。
最初こそ、書いても書いてもちっとも楽しくなく自分のセンスのなさを嘆いていた。
しかし、納得のいく文章ができなくても締め切りはくる。仕方なくそのまま提出する。それを繰り返しているうちに、依頼される文字数がふえていった。
そして、いつの間にか本を出すことになる。
やがて、何年も書き続けていくうちに、今では自分の想いをそのまま言葉にできるようになった。
と綴っている。
これを読んで思いました。
いいなぁ有名人は、依頼したら全く書けない人でも仕事がくるんだ、と。
でも、苦手な文章を克服するために仕事にしてしまうという発想はすごいと思った。
そしてその思惑通りに、見事に文章を上達させたこともすごいと思った。
この成果をあげた最大のポイントは、
「締切」という、
自分を強制的に書かせる環境をつくったことなんでしょうね。
ということで、誰が私に締切のある書く仕事を下さい。(笑)