本の紹介

集中できないのは、部屋のせい。

本が大好きなのに、20年以上、自分の部屋に本棚がなかった。
その訳は、20年前に古本屋を開業し、その店内の棚の天板の上を、自分の読んだ本のストック場所にしてしまったから。
部屋が狭いので、これ幸いと利用してしまったのだ。
その11年後に古本屋を閉店。
その際、この在庫の置き場に困ったが、閉店作業に追われ,とりあえず段ボールにしまって部屋に積んで置いた。
古いものは、レンタルボックスにストックした。そのまま、昨年4月の引っ越しまで約8年過ごしていた。
それでも、部屋の平な場所やベッドの横にあるサイドテーブルの上に、本は積まれていった。しかしほとんどカバーがかけられたまま。表紙が見えない本は存在を忘れる。
何しろ、急な閉店になってしまったので、あれこれ考える余裕なく、
住まいとするワンルームに、古本屋業務のためのあれこれを全て詰め込んでしまった。
さらに、販売用の本も、ダンボールだけで10箱になっていた。狭い。残りのスペースはベッドだけ。
だから、本棚が置けなかった。
その、本棚のない生活に慣れてしまい、昨年4月、2DKの部屋に引っ越したあとも、本棚なしで過ごしていた。
それが今回【集中できないのは、部屋のせい。】を読んで、急に部屋の整理整頓に意欲が湧いた。
「今いる場所を最適な事務所にしよう」と。
そして、その一端として、本棚を作った。
カラーボックスを組み立てただけですが(笑)
(本書の中で著者が、「カラーボックスだけ買えばいい」と書いてあったのが印象に残っていまして)
本来の目的は、部屋をきれいにするための収納用カラーボックスなのであります。
しかし、組み立てている最中から頭の中に本を並べるイメージしか湧かず、ごく自然に本棚となりました。
たかがカラーボックス二台組み立てるのに、汗だくになり、足腰肩がいてててて、となりながらの完成。
出来上がり後、ノンアルコールビール片手に
この本棚の前に座って、本の背表紙を見ているだけで、なんだか、ワクワクしてくる自分がいました。
手に取って見たくなるし、読んでみたくなる。
実際、開いてみると、そのまま読み始めてしまう自分がいた。
文字が言葉が頭に胸に沁みこんだ。
そこはかとない快感。心も体も喜んだ。
すっかり忘れていたこの体験。
なんだか、大切な時間を失っていたようで、ちょっとショックだった。
でも、今日からまた、本と本棚との交流が始まるかと思うと、この上なく嬉しい。
きっかけをくれたこの本に感謝。