本の紹介

万能鑑定士Qの事件簿1


万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ
面白かった。スイスイ読めた。
次から次へと謎が現れる感じで、先を知りたくてたまらなくなる書き方。話が過去と近未来にも飛ぶ。場面がガラッと変わるが、ビジュアライズされた文章だから、スッと入れる。没頭させられる小説。キャラクターも個性的で魅力的な凛田莉子。もともとは純朴な性格のいい田舎の女の子だった。ただ、頭が悪かった。しかし、感受性が異常に良く、その個性の強みを見抜いた瀬戸内陸さんとの出会いで、化ける。
化た結果、得たポジションが、万能鑑定士。美人で純粋なロングヘヤーがヒロインだ。イメージとしては北川景子。
こりゃあ、読んじまうべぇ。

そもそも、これを読むきっかけになったのは、【小説家になって億を稼ごう】を読んだからだった。儲かる小説の書き方なんていう、とんでもないコンテンツを暴露しちゃった本だった。
読んでびっくり、超画期的な創作法だった。
そこで私が思いついたことが、「ほんとにこのやり方で小説が作られているのだろうか?」というものだった。
その検証のために読んだのが、【高校事変】だった。
億を稼ぐ書き方だったのかは、全くわからなかった。
しかし、すごく面白かった。
一気読みだった。でも、読後に何も残らなかった。まるでTVのアクションドラマを観た後のような感じだった。
エンターテイメントだからそれでいいのかもしれない。
でも、なんか物足りなかった。
ということで、試しに他のシリーズを読んでみようと思い、読み出したのがこれ。
物語の出だしの
「力士シール」のエピソードに惹かれた。スルスルっと引き込まれた。
ガードレールに貼られた無数の力士シールの謎を探る週刊誌の記者、という静かな設定でありながら、妙に先が気になった。
(こう書いておきながら、実は最初、読み切れる自信がなかった)
だから、買わずに図書館で借りてきていた。読めなかったらもったいないから。
しかも、文庫本ではなく、四六判のソフトカバーのものだった。
これがまた良かった。文庫だと手触りや文の見た目がチャラかった。あんまり感じたことがないほどチャラク感じて読む気しなかった。でも、四六判ソフトカバーだと本に重みを感じるというか、しっかり感があり、読む気になった。
それでも、他の本との競合に負けて、積読コーナーに退けられていった。
(このところ、小説同士を同時並行で読むクセがついてしまった。なので、読み散らかすことが多い)
しかし、どうしても、力士シールの後の話が気になって気になって、もう一度借り直した。でも、また読み切れずに返却してしまった。
それがこの前、府中の駅前の商業施設に大きな本屋ができた。ワクワクしていってみた。そこで、見かけてしまったのが、この文庫版の
万能鑑定士Qだった。もう、これは買うしかないと思った。
そしえ、やっと読み切った。
面白かったのはいいが、これ、実は、上下巻ものだった。
だからまだ話が終わってない。
下巻を読まなきゃ、話が語れない。(笑)