本の紹介

苦手から始める作文教室

とても面白い作文の本と出会ってしまった。

津村紀久子さんの本は数冊読んでいます。
「ポトスライムの舟」と「とにかくうちに帰ります」と「この世にたやすい仕事はない」「くよくよマネジメント」ぐらいだったか。

あと、講演を聴かせていただく機会が2度ほどありました。
話ぶりがとても親しみやすい感じで、面白かったと記憶しています。

最近滅多に行かない大型書店で、プラプラしてて、偶然みつけました。
(実は、この偶然見つけましたパターンに当たり!が多い)

読み始めたら、スルスルするっとハマって即レジへ向かった。

内容を一言で言うと、タイトルの通りで、
苦手な人が読んでも、作文が書きたくなる本、になっているように思います。

それこそ、手取り足取りの感じです。

一番良かったのは、書き出し、さらにそこからどう広げていくか、のところ。

ほんとに苦手な人の気持ちや、不安な心に寄り添って書いている気がします。

私自身も、すぐに本を閉じて、その書き出しのやり方に則って書いてみました。

書き出しのコツは、
「とにかくその作文でメインとなっていることについて文にしてしまうと、書き出すことはできる」
(52ページより引用)
だそうです。

その通り書いてみたら、
ほんとにすぐに書けてしまった。
面白いようにスラスラと。

ネタの集め方のところも良かった。
ネタを求めて暮らしていくと、書くことも生きることも生き生きしそうです。

さらに、読書の時のメモの取り方が私で的には、目から鱗でした。

あっ!と思ったところがあったら、その場で、スマホのメモアプリにメモる、と言う方法。これも、即座に試したら、すごくよくて、ずっと続いてます。

そして、ラストにある、津村紀久子さんの読書論?
そこまで、堅苦しくはありませんが、思わず、黄色のラインマーカーで、スーッとなぞってしまいました。

ただ単に、読むと書くを楽しむこと、これを忘れたら、それこそ本末転倒でした。
とても、やさしくて楽しめる、作文教室になっていると思います。

『本がすぐれているのは、あらゆる娯楽の中でもっとも低いのでコストで書ける(作れる)ため、多様性と蓄積があること。また、いろんな時代を経て生き残ってきているため、単純に著者も登場人物も「色んな人がいる」のです。
なので本は、「誰にでも好かれる人気者」というより、「自分にぴったり合う誰か」がいる可能性を秘めています。』
(117〜118ページから伐採引用しました)
この一文に出会えたことだけでも、この本を買った甲斐がありました。

このところ、自己啓発系の本ばかり読んでいたので、なんとなく、心が枯れてきている感じありました。
この本のおかげで、「読書=スキル磨き」だけではないことを、思い出させてくれました。

苦手から始める作文教室 津村紀久子・著

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